東信州次世代イノベーションセンター

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report レポート

先進地視察 明日の地域農商工連携を担うニューリーダー育成スクール 12/10・11開催

2024.12.24 掲載

■日 時 2024年(令和6年)12月10日(火)・11日(水)

■会 場 道の駅まえばし赤城・道の駅どまんなかたぬま・道の駅ましこ・道の駅うつのみやろまんちっく村

■参加者 13名

■内 容 栃木県・群馬県視察

 

 


 

 

大きな可能性を秘めた地域産業育成の行く手を探る次世代農商工連携人材育成事業がスタートしました。今年度は“商品の販売&実践から学ぶ”をテーマにより実践的な内容となっております。11月23日・24日に各施設で実施した「東信州物産販売リンケージフェア」を受け、成果や課題の共有し次世代リーダー同士、また地域との連携・協力を深めながらプロジェクトを推進する人材を育成します。参加者同士で日々の課題やアイデアを共有できること、視野を広げられることも期待できます。

今回は先進地視察として、栃木県及び群馬県の道の駅4施設を訪問いたしました。

 

 

 

道の駅まえばし赤城

令和5年3月より開業した当施設は、公共整備と民間としての収益施設整備を組み合わせた、官民連携の運営を行っていました。指定管理者である株式会社ロードステーション前橋上武 道の駅「まえばし赤城」副駅長兼店舗運営部長の鈴木氏にお話を伺いました。

 

● 事業手法

前橋市の示す条件に基づき、道の駅全体を対象とした基本計画の策定、設計、建設、運営維持管理を一貫して行う事業者を選定。民間企業のノウハウと資金を活用した施設整備が行われていました。事業主体と事業規模によりその効果は変わってくると言われていますが、PFI手法の具体例として参考になりました。

● モノ×コト×ヒトが行き交う交流拠点

当施設の指定管理者が自ら農畜産物直売所を運営することで、生産者や地元企業との関係性を構築し地域課題等に積極的に関与しているそうです。取り組みの一部をご紹介します。

(1)マッチング商談会

道の駅内に出店する飲食店と農畜産物直売所に出荷する生産者が、直接商談を行う機会を創出。販路拡大や生産者の意識改革につながっている。

(2)安全かつ適正な知識による栽培技術向上

多くの道の駅で行っている、生産者を集めた栽培方法の勉強会ですが、加えて環境や健康への配慮を踏まえた農薬等の知識習得、アグリテック(機械化)など農業従事者減少課題への取り組み。

 

 

 【道の駅どまんなかたぬま

平成13年11月に栃木県9番目の道の駅としてオープンした当施設は、県道に隣接し周りは住宅地のため、メインターゲットを地元住民としてリピーター確保に力を入れてきました。指定管理者である株式会社どまんなかたぬま営業本部長の田名網氏にお話を伺いました。

 

● リピーターの確保

上段で紹介したとおり、メインターゲットを地元住民にしていることからリピーターの確保が重要になっています。そこでスーパーや他の施設では取り扱わない商品を販売することにしたそうです。例えば、赤飯や山菜おこわ、たんさんまんじゅう、また全国の銘品など品揃えを強化してきたそうです。

入り口には、出店が並びお祭りのような賑わいを感じ、買い物をする楽しさを体感することができました。

● 生産者の確保

当施設とは他に、イオンモール小山店へ直売所を出店しています。多店舗を運営することで人材育成を行い、さらに周辺地域の生産者を確保することがきたそうです。これにより安定的に地場産の商品を提供することにつながりました。

今後も新たな取組を継続していくとのことでした。

 

 

道の駅ましこ

益子町は農業を町の基幹産業と捉え、当施設を地場産業のエンジンとして整備しました。今回の視察では、町長の広田氏、町職員の上田氏、道の駅支配人の高橋氏に当施設の立ち上げから現在、今後の取組などのお話を伺いました。

 

● 農業者の所得向上

単に農業収入だけで生活するのはなかなか難しいのが現状ですが、益子町では町民が自身の農産物等を加工品として販売できる仕組みありました。

加工施設の整備には莫大な費用が必要です。そこで町が施設整備を行い、個人生産者のほか、飲食店や一般業者まで利用可能とし、受託製造にも対応しています。

● 農業生産の取組

道の駅を核として、樹園地承継等し生産活動を展開。現在は地域おこし協力隊の独立支援としてメロンなどを生産しています。また、町が運営する農の学校(第三期)の運営サポートを行い、農業の担い手を育成、加えて流通手段のひとつとして貨客混載事業にも着手しています。さらに移住定住サポートセンター機能を併設するなど、幅広く活動を行っていました。

 

 

道の駅うつのみやろまんちっく村

当施設は46ヘクタール(東京ドーム10個分)という広大な面積の中に、農産物や地場産食材を楽しめる飲食店だけでなく、体験農場や森遊び、ドッグラン、温泉やプールに宿泊施設がある滞在体験型施設です。指定管理者である株式会社ファーマーズフォレストグループ総務広報・OMO事業部課長の田代氏にお話を伺いました。

 

● 道の駅こそコンパクトシティの核となる

「結ぶ・つなぐ・場づくり」をテーマに周辺地域と連携した様々な取組を行っていました。

この施設だけでも様々な体験を楽しめますが、周辺観光と連携したツアーの企画・運営を行っています(えにしトラベル)。また、生産から販売までのプロデュース、販路の仕組みづくりや地域資源のブランド化など6次産業化事業も手掛けています。様々な取組は、書籍「地方創生ビジネスの教科書」等にも、住民や行政と協力しながら持続可能な価値を創造する具体例として紹介されています。

 

 

 

 

今回の先進地視察では、道の駅を核に地域課題の解決に向けた多様な取組の具体例を学ぶことができました。当協議会内でも今回の視察内容の共有をし、地域課題に対し、積極的な活動につながればと考えています。

 

(東信州次世代産業振興協議会事務局 渡邊祐 記)

 


 

次回、クロージングミーティング 2025年1月21日(火)13:30~15:30

会場 +519worklodge(上田市技術研修センター)

内容 クロージングミーティング

 

ご興味がございましたらこちらからお申込みいただくか、以下メールアドレスへご連絡ください。

メールアドレス:info@j-sanchoku.net (企画受託者:株式会社産直新聞社)

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