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第6回 明日の農商工連携を担うニューリーダー育成スクール 12/12・13開催
2023.12.25 掲載■日 時 2023年(令和5年)12月12日(火)・13日(水)
■会 場 JAえちご上越 旬菜交流館あるるん畑
道の駅うみてらす名立
雪だるま財団
飯綱町ふるさと振興公社
■参加者 18名
大きな可能性を秘めた地域産業育成の行く手を探る次世代農商工連携人材育成事業がスタートしました。誕生から約30年を経た直売所や道の駅を地域の農商工連携の拠点としてとらえ、その現状と発展の歴史を学び、農業だけでなく多様な異業種の企業・団体、また自治体などとの連携による新たな地域産業の発展の方向性を探ることを目指します。
今回は第6回、道の駅・直売所の視察訪問として、冬場の品揃え対策に注目し、4施設に行ってきました。
【視察訪問】JAえちご上越 旬菜交流館あるるん畑
平成18年4月にオープンし、17年目を迎え新潟県内のJA系直売所の中でもトップクラスの直売所へ成長した旬菜交流館あるるん畑について、JAえちご上越営農部直売施設課の植村孝弘氏にお話を伺いました。
〇「農家(生産者)」と「お客様(消費者)」の距離
生産者745会員で構成される利用組合は、役員19名体制で、月回ペースで役員会を開催。季節のイベント企画を含め、事業計画を立て、施設運営を行っています。こうした取り組みから販売対策や生産対策を生産者自らが考え、商品性が向上し、消費者の信頼が高まり、売上へとつながっています。生産から販売、運営を一体的に行える体制は強みだと感じました。
【視察訪問】道の駅うみてらす名立
観光施設として、ホテル・レストラン・温泉・プール、そして直売所がある本施設。複合施設をしての強み、現在の課題等、管理運営を行う株式会社ゆめ企画名立の細谷貴雄氏にお話を伺いました。
〇「複合施設」
観光施設としてオープンしたうみてらす名立は、いくつもの機能を有しており、1か所で複数楽しめる目的地としての強みがあります。売上の中心はホテルで新型コロナウイルス感染症の影響は大きく、売上が回復しつつある現在もコロナ禍前と比較して20%ほど減少したといいます。一方、光熱費等の高騰に加え、建物の老朽化により維持管理費用が増大するなど複合施設ゆえのデメリットも伺いました。これから道の駅開業予定の参加者もおり、熱心に話を聞いていました。
【視察訪問】雪だるま物産館
冬場の品揃え対策として有効な雪室。年間を通して室温5度以下、湿度90%以上に保たれるため、農産物の貯蔵に最適な環境です。100トンもの雪を利用する巨大雪室「ユキノハコ」及び雪だるま物産館の管理運営を行う手づくり百人協同組合の増野秀樹氏にお話を伺いました。
〇「事業継続」
上越市安塚区(旧:安塚町)は、雪だるま物産館のオープンから現在までで人口が半分ほどになり、高齢化等により事業継続が難しい生産者が増えてきているとのことでした。施設を運営する手づくり百人協同組合は、今まで「かきもち(米菓の一種)」、「どぶろく」、「漬物」の事業を引き継ぎました。東信州地域においても直売所等の運営を含め考えていく必要を感じました。
【視察訪問】飯綱町ふるさと振興公社
飯綱町ふるさと振興公社は、飯綱町の観光プロモーション、地域イベントの企画運営等、飯綱町の魅力や観光資源の開発、地域づくりの支援などを行っています。今回の視察では「いいづなマルシェむーちゃん」、「飯綱町三本松農産物加工施設」、「いいづなコネクトEAST」を訪問しました。飯綱町ふるさと振興公社の相澤亮氏と飯綱町産業観光課長の清水純一氏にお話を伺いました。
〇「農商工連携」
飯綱町では、りんごを中心にした農産物における6次産業化を進めており、地元企業・生産者・行政等が連携し、りんごを利用した加工品の開発や販売促進、果樹園での体験型の観光等、農業資源を活かした地域振興に取り組んでいます。豊富な種類のりんごからジュースやシードル、植物由来の合成皮革(りんごレザー)など、現在も大学等とも連携し商品開発を進めています。まさに農商工連携が実現されていました。
【参加者の声】
雪室の活用、広報の種類と費用対効果、地域活動の維持の役割、営農組織 等々気候を活かした工夫、道の駅・直売所の役割とは何か。改めて考えさせられる視察になりました。
次回、第7回クロージングミーティング \\いよいよ最終回となります!//
■日 時 2024年(令和6年)1月16日(火) 13:30 ~ 15:30
■会 場 上田市産学官連携支援施設(AREC)4階会議室、オンライン