CENTER FIRM 中核企業紹介「カネテック株式会社」
当エリアの強みに関して
当社は、鐘紡上田工場からスタートし、戦後軍需産業からの転換により、企業組合上田鐘通を創立、1956年(昭和31年)11月に「鐘通工業株式会社」として設立しました。当時の主要生産品目は、ミシン部品や電気部品などでしたが、60有余年を経過した現在は、マグネット応用機器の開発・生産・販売のメーカーとして当地での事業展開に定着しました。
当地域は、千曲高校や信大繊維学部・長野県工科短大・ARECなど教育・研究機関が近在に集中していることから、採用・人材確保面や研究開発において大きなメリットがあります。
また、県内製造品出荷額の約20%を占める工業集積地でもあり、当社も創立当社から多くの協力会社にお世話になっており、現在では県内や近隣地域の仕入先・外注先約200社との取引に拡大しています。鋼材・板金・コイル、包装材などマグネット製品の原材料・資材の調達や、組立・加工委託などにおいて、納期・品質確保・物流コストのメリットも享受しています。
貴社の事業内容での強みに関して
当社は磁力の生み出す不思議な魅力に注目し、開発・生産・販売・アフターサービスに至るまでの一貫体制で、工作機械や産業ロボット、自動車・鉄工・造船・食品・化学・環境など幅広い分野にマグネット応用機器「KANETECブランド商品」を総合的に展開してきました。
研削盤等の工作機械に搭載される「マグネットチャック」、ダイヤルゲージなど測定機器の保持具「マグネットベース」、鋼材搬送などマテハン分野で活躍する「リフティングマグネット」、磁束密度計測における業界標準器でロングセラー商品「テスラメータ」などの代表製品は、国内トップレベルのシェアを誇っています。現在では300品目を超える製品のラインナップで、様々な産業で使用されています。
また、お客様仕様のカスタム商品にも柔軟にお応えできることも当社の強みであり、提案型営業・マグネットによるソリューションの提供を通じ、グローバルニッチトップ企業を目指して今後も躍進していきます。
貴社を取り巻く環境(雇用・賃金)に関して
当社の主力製品は全売上の約1/2を占める工作機械やその周辺機器であり、特に昨年は自動車・ロボット・スマートフォンや半導体向け工作機械の受注が内外需ともに大きく伸長し史上最高額となる1兆6千455億円に達するなど、業界は好調の一途を辿っています。当社にもその影響は波及しているものの、企業業績にストレートに反映されることはなく2桁の伸び率には至りませんでした。
人員維持の中で、現在若干の補充中途社員を募集している最中ですが、売り手市場の逆風を受けて苦戦しています。また従業員の男女比は3:1となっています。
売上高では未だリーマン前に追いついていないものの、残業時間は当時同等に達するなど総額人件費を圧迫する実情もあり、労働分配率が依然高位にあることから、より一層生産性を高め経費削減やコストダウンなどの企業努力を重ねていかなければなりません。
地域未来牽引企業の選出における抱負に関して
この度弊社は地域未来牽引企業として選定されましたが、当地域の将来に向けて果たすべき責任の重さを実感する一方で、活用できる支援制度に関する理解認識はまだまだ弱いのが実情です。今後諸制度の研究を深める中で、新年度経営計画において地域戦略の柱の一つとして取り組み方針や推進計画を策定していきたいと考えています。特に大型設備投資により企業の成長発展を促し、ひいては地元協力会社への支出増、雇用の創出、労働生産性の向上や働き方改革に繋がる成果を出すことができれば良いと考えています。
また、これまで上田創造館主催の子供発明チャレンジ教室への講師・教材提供、川辺町夏祭りでの駐車場開放、冬季積雪時の生活道路の除雪など微力ながらも一定の地域協力を行なってきていますが、今後もARECや工業振興会・商工団体・金融機関等との連携強化を図るとともにアドバイスやお力添えを頂きながら、当地域の更なる産業発展に貢献していきたいと考えています。