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大学と長野県企業との情報交換会in長野、企業見学会を開催しました。9/21・22開催
2023.10.16 掲載県内企業ではここ数年新規採用者(高卒・大卒)の採用難が続いております。
原因として少子化はもちろんのこと、主に首都圏の大手企業による大量採用やコロナ禍で県内企業と大都市圏の大学とのネットワークが分断し、学生にとって地方への就職が遠い存在になりつつあることなどが背景にあると考えられます。一方で、県内企業からは【採用に関する対面での事業を実施して欲しい】【大学とのネットワークの構築を支援して欲しい】【最近の学生の状況、就職活動の最新状況等を知りたい】など、様々な声をいただいているところであります。
そこで、今回一般財団法人浅間リサーチエクステンションセンター(AREC)と東信州次世代産業振興協議会では地域企業の人材確保事業の一環として、情報交換会を開催いたしました。
大学と長野県企業との情報交換会
■日 時 2023年(令和5年)9月21日(木)13:30~16:30
■会 場 信州大学繊維学部総合研究棟7階
■内 容 ・開催挨拶・全体説明:13:30-13:45
・情報交換:13:45-15:30
・自由懇談:15:30-16:30 ※各自懇談
・終了:16:30
2012年より始まりました情報交換会も今年で15回目。
コロナ禍ではオンライン対応とするなど、手法を変えて今日まで開催してまいりましたが、今年は4年ぶりに対面での開催が実現いたしました。
以前は都市部での開催でしたが、今回初めて地元、上田市(信州大学繊維学部内)で行われました。
開催方法、採用状況も変わる中で今年は試験的に行いたしましたが、当日は25大学、25企業64名様と5協力機関の方にお集まりいただきました。
開催挨拶・全体説明
AREC岡田センター長の開催挨拶から始まります。
会場内は開催前からお集まりいただいた参加者が、すでに情報交換をする姿もみられましたが、開催の挨拶によって更にボルテージがUP↑↑↑
岡田センター長からは、東信地域の特徴について、また理系文系関係なく交流いただけたら等、大学と地元企業のこれからの繋がりを期待するお話をいただきました。
そして、いよいよ情報交換会がスタート!!
会は次のように進められました。
◎大学様はご着席。企業様が各大学席を回る : 13:45-14:30
◎企業様がご着席。大学様が各企業席を回る : 14:30-15:15 (休憩)
◎自由懇談 : 15:30-16:30
情報交換会
大学席訪問
最初の45分は大学担当者が着席する席へ企業様が訪問しました。限られた時間の中で、より多くの大学と情報交換をするために各席を回られ、大学席は途切れることなく始終企業の方が訪問されていました。
企業様の中には情報交換したい大学を数校に的を絞って訪問することで、しっかりお話することができた方もいらっしゃいました。
☆多くの大学と…☆希望する大学と…など要望は様々な中で、目的に合わせてご参加いただけたことが感じられました。
企業席訪問
一方、大学様からは普段話の出来ない企業様とも話すことができた為、大学が企業を周る時間があったのは良かった、とのご感想もいただきました。
自由懇談
休憩後の1時間は情報交換ができなかった大学、企業と自由に懇談していただく時間としました。
ですが、離席してしまうと、誰がどこにいるかが分かりづらいというご意見を多数いただき、次年度開催の改善点の一つとなりました。
そのような中でも
・会場、参加企業・大学、人数の規模が程よく、話をしたい企業様のほとんどと面談をすることができて良かったです。
・濃密な情報交換ができました。時間が足りないぐらいでしたが、丁度いいタイムスケジュールだったと思います。
・大学だけではなく、地域や企業の担当者とも情報交換ができたことも良かったと思います。
等のご意見をいただき大学様、企業様双方にとって有意義な時間となったことが伺えました。
あっという間の3時間。
無事に終了することができました。
後日ご回答いただきましたアンケートからは次のような気づきがありました。
◎求人のマッチング
今回の情報交換会の中で【2024卒でもまだ支援している学生が1,2割いることの意外性】を思う企業様と【新規の求人を多く取得でき、非常に有意義だった】と思う大学様がいらっしゃったように、そういったところがマッチングして、当地域への就職につながれば幸いです。
◎固定概念にとらわれない
大学名、企業名による固定概念によって繋がりの幅を狭めているかもしれないということ。
実際お話しすると、お互いの認識の違いにも気づくこともあるということ。
偶然の出会いから新たな発見につながることがあり、大学間、企業間の接点づくりの場を希望する声が寄せられました。
◎広域連携
【複数の市(行政)の方が来ている情報交換会は珍しい!!】
今回は、東信地域の安定協会、組合の方(小諸市、佐久市、千曲市、坂城町)にもご参加いただきました。
そちらから新たな情報も得られた大学の方もおられ、『折角、今回も各市の行政の方も来られていたので、各大学へ情報提供できる時間があっても良いのではないか。』とのご感想もいただきました。
広域での連携が可能なのは東信州次世代産業振興協議会だからこそ。その強みを活かしていかれればと思います。
お寄せいただいたご意見を基に、今後の事業に活かせるよう努めてまいります。
●後日、情報交換会に関わる記事が掲載されました。
230926信州民報掲載 大学と長野県企業との情報交換会 (2023年9月26日(火) 2面掲載)
231003東信ジャーナル掲載 大学と長野県企業との情報交換会 (2023年10月3日(火) 2面掲載)
会社見学会(オプション企画)
■日 時 2023年(令和5年)9月22日(金)9:00~12:30
■見学企業 ○株式会社竹内製作所 ○ASPINA シナノケンシ株式会社 ○エプソンアヴァシス株式会社 ○株式会社地元カンパニー
■内 容 ・名刺交換
・会社内を見学
・会社の人事担当者・OB/OG、その他の方との意見交換・情報交換
情報交換会翌日は大学様がそれぞれ希望する企業1社を訪問し、実際の現場を見学したり、情報・意見交換をしたりする場を設けました。
ご協力いただきました企業は4社。ご参加いただいた大学は8校9名様です。
ここでは見学時に伺った企業様のお話をお伝えいたします☆
エプソンアヴァシス株式会社 https://avasys.jp/
多様化するニーズに応える革新的なエプソン商品を「技術」と「発想」でソフトウェアという側面から下支えしてきたエプソンアヴァシスを訪問してきました。
全ての社員が働きやすい環境
訪問してまず思ったのが、“インスタ映え”です。開放感のあるオフィスはカフェのようなおしゃれな内装でした。
金曜日ということもありデスクの半数は空席でした。この意味お分かりになりますか?
フレックスタイム制度からはじまり、時間外労働の免除、期限のない時短勤務など自身のライフスタイルに合わせた働き方を選択できるそうです。そして、金曜日はリモートワークの方が多いそうです。また、フリーランスや個人事業主タイプの副業を認めており、本業とは別の世界を経験することで自身のスキルを広げることができる。社外での学びも大事にすることで新たなビジネスやサービスのアイデア創出へとつながっていると感じました。
社員を大切にし、より良い展開へと変化を楽しむという理念に感銘を受けました。
株式会社地元カンパニー https://www.jimo.co.jp/
旬の物が旬の時期に届くカタログギフトを開発、販売などギフト事業を主に展開する地元カンパニー様に訪問いたしました。
お話の中ではユニークな取り組みを知ることができました。
訊く活(3つの訊く)
とにかく相手のために訊くということです。・どうしてそう思ったのか? なぜそうしたのか?訊かれることによって、考えを言葉にし、それを本人が感じることができるといいます。次々問われることで、問われた側は自分の考えを深められ、自ら答えを見つけだす仕組みを作っているそうです。
やめ活
必要のないことはやめる、不要と思えばやらないという【やめ活】。今まで続けてきたことをやめるというのは勇気が要りますが、必要がなければやめる潔さと、より良くする為、新たな方法を取り入れるスピード感を感じました。
新卒入社の方のお話
インターンシップを経て、新卒入社された方にお話をうかがいました。
会社の様子は、朝5時に行われる勉強会で分かったとのこと。自分らしく働けそうな環境であり、じっくり待ってくれる安心感があったところが入社の決め手になったそうです。
働き方や考え方に柔軟に対応し、従業員の声を訊きコミュニケーションをとる様子は、会社見学会からも感じることができました。
旬の物が届くのを待つ楽しみ → つらいことがあっても待てる。届くまで待てる。希望をもって明日を待てる。設立11年目の今、【地元エナジーを満タンにし、待てる社会をつくる】ことを目指しているという地元カンパニー様。
目まぐるしい速さで変化する現代は、あまり待つということが感じられません。だからこそ【待つこと、待てること】は私たちにとって必要な時間なのかもしれないと感じました。
株式会社竹内製作所 https://www.takeuchi-mfg.co.jp/
ASPINA シナノケンシ株式会社 https://jp.aspina-group.com/ja/
ご参加いただきました大学様から寄せられたご感想です。
・オプション企画の企業見学がとても良い機会になりました。ぜひ同様の機会を今後も設けて頂けたら嬉しく存じます。
・企業訪問を1社ではなく、2社程度は訪問したいです。
・今回、企業訪問には参加できませんでしたが、そういったお取り組みを継続していただければありがたいです。
初めての試みとなりました企業見学会でしたが、好評のうちに終了いたしました。
ご参加いただきました大学様、ご協力いただきました企業様。誠にありがとうございました。